こんにちは、ロジカル・アーツの西田です。
コールセンターの現場では、日々膨大な電話応対と、それに伴う事後作業(ACW:通話終了後の入力作業や事務処理)が発生しています。
「応対品質を上げたいけれど、入力作業に追われて時間がない」
このような悩みは、多くの現場責任者の方が抱えている課題ではないでしょうか。
こうした課題を解決するために誕生したのが、次世代型コールセンターシステム「HARMONY(ハーモニー)」です。
本記事では前後編に分けて、HARMONYに搭載された「7つのAI機能」をご紹介します。
前編では、オペレーターの負担を大幅に軽減する「応対・記録支援機能」にフォーカスします。
はじめに:HARMONYが変える「記録」のあり方
前回の記事【3分でわかる】HARMONYとは?では、HARMONYがAmazon Connectをベースにした柔軟なシステムであることをご紹介しました。
今回はさらに踏み込み、生成AIが「書く・まとめる」といった事務作業をどのように代行するのかを見ていきます。
現場を支える5つのAI機能
リアルタイム文字起こし
通話中の音声をAIが即座にテキスト化し、オペレーターの端末画面にリアルタイムで表示・保存する機能です。
Before: オペレーターは「正確に記録を残さなければ」というプレッシャーから、通話中に必死にメモを取ります。その結果、お客様の話に集中しきれず、肝心な悩みやニュアンスを聞き逃してしまうことがありました。また、内容を確認するために、後で長い録音を何度も聞き直す作業も発生していました。
After: 画面を見れば会話が次々と文字になっていくため、メモの手を止めても内容を見失う心配がありません。聞き逃しが発生しそうな場面でも、テキストをさかのぼって即座に内容を確認できます。
ポイント: 「対話」への完全集中。 メモ作業から解放されることで、お客様の声により深く向き合えるようになります。また、管理者は音声を聞かずとも複数人の応対を「文字でモニタリング」できるため、トラブルへの迅速なフォローが可能になります。

文字起こし校正
音声認識特有の誤変換や、会話中の不要な言葉をAIが文脈から判断して自動修正・整形する機能です。
Before: 従来の音声認識では、滑舌や通信環境によって「〜です」が「〜デスワ」と誤認識されたり、業界用語が全く別の言葉に変換されたりすることが一般的でした。そのままでは記録として使えず、人間が手作業で一から修正する必要がありました。
After: 生成AIが前後の文脈を読み取り、自然なビジネス日本語へと自動校正します。HARMONYの強みは、この修正指示(プロンプト)を自由にカスタマイズできる点にあります。自社特有の専門用語や略語を登録しておくことで、精度の高い「読める記録」が自動的に生成されます。
ポイント: 記録精度の向上と工数削減。 修正箇所はマーカーで強調表示されるため、必要な箇所だけ確認すればよくなり、確認作業の負担も大幅に軽減されます。正確な応対履歴がワンクリックで完成するため、情報の信頼性が高まります。

要約生成
膨大な通話テキストから重要なポイントを抽出し、簡潔な要約文をAIが自動作成する機能です。
Before: 通話終了後、オペレーターは記憶を頼りに「何が起き、どう対応したか」を要約します。しかし、人によって書き方や詳しさがバラバラで、後で読んでも状況が掴めない、あるいは入力に時間がかかりすぎるという課題がありました。
After: 会話の要点をAIが抽出し、指定した文字数やトーンで要約を生成します。「詳細な報告用」や「一目でわかる簡潔版」など、用途に合わせた出力設定が可能です。
ポイント: 情報共有のスピードアップ。 SV(管理者)は、要約を読むだけで数秒のうちに案件概要を把握できます。全件確認の工数が大幅に削減されるだけでなく、誰が書いても高品質な履歴が残るため、属人化を防ぐことができます。

会話議事録生成
会話の流れに沿って、概要、決定事項、推奨されるネクストアクションなどを構造化されたレポート形式で自動生成します。
Before: 複雑な相談や複数の論点がある通話の場合、後処理作業(ACW)で報告書をまとめるのに10分〜20分かかることも珍しくありません。この時間が積み重なることで、センター全体の応答率が低下し、お客様を待たせる原因となっていました。
After: AIが会話全体を俯瞰し、「お客様の課題」「提示した解決策」「次回の宿題」といった項目ごとに整理した議事録を瞬時に書き上げます。
ポイント: ACW(事後作業)を最大75%削減。 業務によっては従来の1/10の時間で完了することもあり、コールセンター全体の生産性向上に大きく貢献します。事務負担が減ることで、オペレーターの離職防止(EX向上)にも直結します。

自動入力
会話の中から「氏名」「住所」「電話番号」「お届け予定日」などの重要項目を特定し、CRM(顧客管理システム)の各項目へ自動的に転記する機能です。
Before: 通話で聞き取った情報を、後から手入力でシステムに打ち込みます。ここで発生するのが「数字の打ち間違い」や「漢字の変換ミス」です。こうした小さなミスが、後の配送トラブルや再確認の電話を引き起こし、二次的なコストを生んでいました。
After: AIが会話から正確に値を抽出し、システム上の適切なフォームへ反映します。カレンダー形式やドロップダウンリストへの入力にも対応しており、人間は最終的な「確認」を行うだけで済みます。
ポイント: 入力ミスの削減と業務スピードの向上。 正確なデータが即座にシステムへ反映されるため、後続の事務部門との連携がスムーズになり、サービス全体のスピードと品質が向上します。

まとめ:AIはオペレーターの「最高のパートナー」
ここまでご紹介した5つの機能(文字起こし、校正、要約、議事録生成、自動入力)に共通するのは、「オペレーターが本来向き合うべき“お客様との対話”に集中できる環境をつくる」という点です。
AIが記録や要約を担うことで、オペレーターは「聞き漏らしたらどうしよう」「後でなんて書こう」という不安から解放されます。 結果として、より温かみのある、質の高い顧客対応が可能になります。
次回予告:蓄積されたデータを「武器」に変える
前編では「個々の応対を楽にする機能」を紹介しましたが、HARMONYの真価はそれだけではありません。
次回の後編では、「コールリーズン判定」「カテゴリタグ付与」の2つの機能にフォーカスします。 「なぜ電話がかかってきたのか?」というデータを自動で整理・分析し、コールセンターを「コストセンター」から「利益を生むマーケティング拠点」へと変貌させる仕組みを詳しく解説します。
お楽しみに!
関連ブログ・サイト
🔗 あわせて読みたい
- 【3分でわかる】HARMONYとは?コールセンター業務を効率化するクラウドシステム
(本記事のベースとなる、HARMONYの全体像を解説した記事です)
💻 関連サイト
HARMONY AI機能紹介ページ
(生成AIを活用した機能の詳細はこちら)HARMONY サービス詳細ページ
(システムの全体像や導入の流れはこちら)
