こんにちは、ロジカル・アーツの岡田です。
Salesforceには、データをインポートするための2つの主要なツールがあります。 それが「インポートウィザード」と「データローダ」です。
今回は、これら2つのツールの主な違いについて説明していきます。
はじめに
「インポートウィザード」と「データローダ」はデータを一括で作成・更新を行うことが可能です。
それぞれに、一度に取り込めるレコード数の上限や、対応しているオブジェクトなどの違いがあるため状況に応じて使い分ける必要があります。
インポートウィザードとは
インポートウィザードは、Salesforceのユーザインターフェースを使用して、CSVファイルをインポートするためのツールとなっており、Salesforceの画面上で操作を行いながら、データをインポートすることができます。
インポートウィザードは、主に少量のデータのインポート時や取引先と取引先責任者をインポートする際に使用されます。
データローダとは
データローダは、SalesforceのAPIを使用して、大量のデータをインポートやエクスポートすることができます。
データローダは外部アプリケーションのため、使用する際にはインストールが必要となります。 インストールには原則として管理者権限が必要となっており、使用する場合も管理者以外が使用するにはカスタムプロファイルや権限セットで「参照」、「作成」、「編集」、「削除」を付与する必要があるためシステム管理者での使用が想定されています。
データローダは、主に大量のデータをインポートする際や、複雑なデータ変換を行う際に使用されます。
インポートウィザードとデータローダの違い
インポートウィザードとデータローダの違いは、主に以下の点にあります。
レコード数の制限
インポートウィザードは 50,000 件が上限です。
データローダは 5,000,000 件が上限となっており、インポートウィザードよりも多くのデータを一度に扱う事が可能です。
サポートされるオブジェクト
インポートウィザードでは、取引先、取引先責任者、リード、キャンペーン、ソリューション、ユーザが作成したカスタムオブジェクト のみ対応していますが、商談のインポートには対応していません。
データローダでは、商談を含む殆どの標準オブジェクト、すべてのカスタムオブジェクトの他、ユーザの登録などマスタ系のオブジェクトにも対応しています。
スケジュールの設定
インポートウィザードでは、設定後に即時インポートが開始され時間の指定などを行うことはできません。
データローダでは、タスクスケジューラなどを用いることで時間指定や週次で処理を実行する事が可能です。
データ処理
インポートウィザードとデータローダでは可能な処理に違いがあり、削除とエクスポートはデータローダのみ対応している機能です。
| 処理 | データローダ | インポートウィザード |
|---|---|---|
| Insert | 〇 | 〇 |
| Update | 〇 | 〇 |
| Upsert | 〇 | 〇 |
| Delete | 〇 | ✕ |
| Export | 〇 | ✕ |
取引先と取引先責任者のインポート
インポートウィザードでは、取引先と取引先責任者に限って単一のファイルから一度にインポートする事が可能です。
データローダでは、取引先と取引先責任者を同時にインポートする事はできず、取引先をインポートしその後に取引先責任者をインポートする必要があります。
重複管理
インポートウィザードでは、取引先の会社名、取引先責任者とリードの名前やメールアドレスから一致条件を選択する事で重複の管理ができる重複管理機能が組み込まれています。
データローダではインポートウィザードのように重複の検知はできず、重複の管理を行う場合は重複ルールを作成する必要があります。
添付ファイル
インポートウィザードでは添付ファイルを Salesforce へインポートすることはできません。
データローダでは添付ファイルを Salesforce へインポートすることができるため、添付ファイルをインポートする場合はデータローダを使用する必要があります。
おわりに
今回は「インポートウィザード」と「データローダ」の違いについて紹介させていただきました。
インポートウィザードは、少量のデータや取引先と取引先責任者を同時にインポートする際使用され、データローダは、大量のデータをインポートする際や複雑なデータ変換を行う際に使用されます。
それぞれのツールには、操作方法やカスタマイズの度合い、処理できるレコード数など、特徴があります。適切なツールを選択することで、効率的にデータをインポートすることができます。
